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広大な国土と、4千年を超える歴史に育まれた中華料理の種類は多岐にわたりますが、その味は「南淡北咸・東甜西辣」(南は薄く、北は塩辛く、東は甘く、西は辛い)が、基本といわれています。 ■最初は上海料理が主流 第二次戦後、日本に渡って来た中国人コックが、東京で多くの若い調理師を育てました。そうした中で、特に、上海、広東、四川の料理を学んだ者に優れた後継者が出たことから、東京・横浜をはじめとして、日本全国にその名が広まって行きました。 昭和40〜50年頃迄は、戦中戦後の交流の深さもあり、上海料理が主流でしたが、淡白で、日本人の味覚に合った「広東料理」が徐々に主流になって行きました。 北京料理は、中国の首都が北京に置かれ、文化の中心として栄え始めてから、日本でも広まったもので、比較的後から親しまれるようになった料理です。 台湾は、本土とは全く異なる文化と発展形態を経たため、独自の料理形式を持っています。 <広東料理> 広東料理は、長江の南地方料理の総称。幅広い素材を用い、淡白な味付けで、素材を活かす調理法が好まれ、世界各地の中華レストランで出されているもののほとんどが広東料理です。 油分も少なく、日本人の口にあいやすいため、人気の高い料理のひとつです。 「食は広州に在り」ともいわれるほど、食材の種類が豊富で、魚介類はもちろん、鳥、猫、ネズミ、ヘビ、虫などユニークな素材を多用し、使う素材の鮮度にこだわりを持っている点が特徴です。フカヒレスープを代表としたスープ料理も有名です。
<上海料理> 川、湖、海と魚介類の宝庫で、新鮮な魚介類を活かした料理が多い。温暖な気候で、米、酒、味噌の産地の為、醤油味で、こってりと甘いもの、あんかけが多いのが特徴です。 コースでは、日本でも人気の高い上海ガニをはじめ、淡水魚などの魚介類がメイン・ディッシュとされることが多く、料理の種類も豊富です。田ウナギ、スッポン、カワメバルなど、長江流域で採れるユニークな魚介類料理を味わうこともできます。
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<四川料理> 蒸し暑い盆地にある、四川を中心とした西南地方の料理。辛味と酸味が利いているのが特徴です。四川料理の味は、胡椒や山椒などの薬味の痺れるような辛さ「麻(まー)」、唐辛子の辛さ「辣(らー)」、酸味「酸(すー)」、スパイス「香(しゅん)」の4つが味の基本とされています。 これらを組み合わすことによって、絶妙な美味さをかもし出しています。 本場の四川料理は、極めて辛いものが多いのですが、日本では、麻・辣の要素を抑えることで、適度な辛味に仕上げているお店が多く見られます。
黄河流域以北の料理を集大成した料理の総称です。山東地方の料理を土台に、北方民族料理や宮廷料理の伝統を受け継いでいます。 寒い地方の為、鍋や味噌料理、肉料理が多く、 また、うどん、肉まん、餃子等、小麦粉をうまく使った軽食メニューが豊富で、味付けには油がふんだんに使われ、塩味が強いのが特徴です。 中でも“北京ダック”は、北京料理を代表する料理のひとつで、非常に人気のあるメニューです。
薬膳料理等が多く、以形補形(イシンプシン)がモットー。淡白な味付けで、汁けの多い料理が多いのが特徴です。 屋台料理が有名で、ビーフンを使った麺料理や、豆乳を使った料理が代表的なものと言えます。 |