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ビールやウーロンハイなどを飲みながら、餃子や点心を食べるのも、大変楽しいものですが、本格料理となると、やはり、中国酒で楽しみたいもの。 ここでは、人気の高い中国酒について、ご紹介します。 中国酒は、大きく分けて「蒸留酒」、「醸造酒」、「混成酒」の3つに分類されます。それぞれ、長い歴史を持ち、文献の中にも登場するなど、様々なエピソードを持っています。 <蒸留酒> 高粱、とうもろこし、小麦、米などを原料として作られ、無色透明で、アルコール度数が高く、 独特の香りと風味で人気の白酒です。代表的なものは、茅台酒(マオタイシュ)、汾酒(フンシュ)、白乾高粱酒(パイカルコウリャンシュ)などがあり、ストレート、または、ロックで飲むのが基本です。 マオタイ酒は、中国南部の貴州省仁懐県茅台という地域で、18世紀頃より作られてきた蒸留酒で、高粱(コーリャン)を主原料とし、大麹(だいきく)と呼ばれる麹(こうじ)を使ってゆっくりと固体発酵させたものを蒸留してから、長期間熟成させます。アルコール分は53~55%で、中国銘酒の中でも筆頭とされています。民間はもとより、政府の交歓会など、公式の宴会などでも、乾杯用の酒として用いられます。
<混成酒> 薬味酒や果実酒などで、食前酒として、また、寝酒として、気軽に楽しめるお酒です。 薬味酒としては、五加皮酒が他を圧倒しており、果実酒では、杏露酒、檸檬香酒、林檎芳酒、桂花陳酒などが、女性に好まれています。 いずれも、アルコ-ル度数も高くなく、甘くまろやかな口当たりで、果実の香りと風味が溶け込んだ、飲みやすいものです。
<醸造酒> もち米、黄米、黍(きび)などで製造され、濃黄色であることから、黄酒とも言われる。代表的なものが、日本でも有名な老酒。 アルコール度数は14~18度程度で、日本酒と同じくらい。飲みやすく、食中酒として、日本でも好んで飲まれています。 「老酒」の中でも、浙江省紹興で作られる「紹興酒」が有名ですが、本来の老酒とは、紹興酒でも50~60年寝かせた物のことをいい、良質なコニャックのように、まろやかで、くせが無く、口当たりの良い、豊かな風味を持っています。 かつて紹興では、女子が生まれると祝い米で紹興酒をつくり、甕を地中に埋めて娘の成長を願いました。娘が結婚するときに甕を掘り出し、美しい花模様などを彫って祝いの酒として振る舞われたことから、紹興酒は「花彫酒」と呼ばれました。 日本で出される紹興酒は、3年もの、5年ものなどが、価格も安く、手軽に親しまれていますが、味や品質は、やはり、10年以上寝かせたものが、断然良質になります。 日本では、燗をしたものに氷砂糖やザラメを入れて飲むのがスタンダードとされていますが、これは、日本独特。(昔は、保存技術が万全ではなかったため、紹興酒を日本に輸入する時にどうしても味や風味が劣化し、旨みや香りが消え、酸味が強くなってしまった。その味をごまかすために砂糖を入れていたという説があり、中国では「まずい酒の味をごまかす」と取られかねない。) 中国では、ストレートや燗をしたものに、砂糖漬けの梅干を入れて飲むのも好まれています。
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<入口から遠く、北側が主賓の席> 中国の宴会での席次の決め方は、西洋の場合と正反対で、主人側の座席に遠いほど位が高い人が座るものとされています。ただし、現在ではあまり厳格に守られることはありません。 北部では、北の方角を最尊していて、北の奥の位置が両首座(主客)となり、次に、東側を第1座、西側が第2座となり、入口を背にして主客と相対する席が、主人の席とされています。ただ、部屋の作りによっては、そうできないので、入口側が主人、その最も遠い側が主客という原則で決められます。 中国料理といえば円卓というイメージがあり、上下の差別無く、皆が平等という感じに捉えられますが、実際には、四角いテーブルに8人座るのが正式で、円卓でも同様の席次になります。人数は、多めでも少なめでも許されますが、原則として、偶数が尊重されます。 料理は大皿で出されますが、全員に均等に渡るように配慮して取り分けるのは、基本中の基本。また、デザートが出たら、宴は終りの合図ですから、各自の酒は飲み干して、終わりにするのがマナーです。
◆一般的なマナー
■食事は主賓が最初 中国では、食事をする前に「いただきます」といった挨拶をしません。そして、主賓や目上の人が箸をつけたことを確認してから他の人が食べ始めるのがマナーです。 ■汁物や麺は音を立てて食べない 日本の場合は、麺類はあえて音を立てて食べたり、みそ汁をすするときにも音を立てたりしますが、中国の場合は音を立てて食べるのは厳禁とされています。 ■お皿に口をつけない 中国の食事マナーは、お皿を持って口をつけず、れんげを使ってスープやご飯を食べます。お茶碗は持って食べても良いとされていますが、汁物や麺類を飲む時はお皿を持ち上げないようにしましょう。なお、左手はテーブルの下になるよう、膝の上に置くこととされています。 ■大皿料理を分けて食べる 中国の食事は、前菜や主菜を数種類作ることが一般的であり、それぞれの料理が大皿で提供されます。そのため、料理を小皿に食べたい量だけ取り分けて食べることが一般的です。 この時も、一番最初に取り分けるのは主賓や目上の人。円卓の場合は、以後、右回りに回転させて取り分けます。 取り分ける際は立ち上がらず、席に座ったままがマナーです。また、他人には取り分けず、各人が自分で自分の分を取りす。また、 料理を取り分ける際には、美しく盛り付けられている料理が崩れないように少量を取り、特定の具材ばかり取ったりすることのないようにするのもポイント。 食べ始めるタイミングは、年長者や役職者など目上の人が手をつけてから。一度大皿を回したら、あとは食べたいタイミングで好きに取ってOK。残っていれば、おかわりもOKです。 ■料理を自分の箸で取り分ける 中国では、自分が使っている箸で家族に料理を取り分けたり、箸で食べさせたりするのが食事マナーです。 日本では、自分が使用している箸を使うのはマナー違反になりますが、中国では家族ではなく他人に取り分ける際にも自分が使った箸で料理を取り分けることがあります。 ■取皿は取り替えて。料理ごとに重ねる 大皿料理が基本となる中国料理では、ひとりひとりに取皿が配られます。味が混ざらないよう料理ごとに取り替え、使い終わったら重ねてまとめましょう。 ■レンゲの使い方 汁物のスープを飲む時はお箸を置いて右手にレンゲ(散蓮華)を持ち替えます。 レンゲの持ち方はスプーンと違い、持ち手のくぼみに人差し指を乗せ、親指と中指で挟むように持って使うのが本式です。真横からではなく、斜めに口をつけましょう。 ■メン類はすすらない 日本ではそばやうどんをすすって食べる光景が当たり前に見られますが、中国料理ではすすらないのがマナーです。麺を食べる時はお箸で麺をひと口分つまんで左手のレンゲに乗せてまとめます。 ■春巻きはかじらない 家庭ではかじって食べることも多いと思いますが、春巻きはお箸でひと口大にしていただきます。片手だけで皮をカットするのは難しいので手を添えてもかまいません。 ■小籠包はレンゲに乗せて 蒸籠で出される小籠包は皮が柔らかく、お箸で直接取皿に取ろうとすると破れて中に詰まった熱々のスープがこぼれてしまいます。蒸籠からお箸でそっと持ち上げ、レンゲに乗せ、次にお箸でそっと皮を破り、出てきたスープを飲みます。お好みで生姜入りの酢醤油などをつけて小籠包を食べます。 ■指を使って食べる料理 有頭海老や骨付き肉などを使った料理は指を使って食べてかまいません。こうした料理にはフィンガーボウルが付いてきますので、間違って飲んでしまわないよう気をつけましょう。中身は水のほか、油分を落としやすいとされている烏龍茶などが入っています。フィンガーボウルで指を洗ったあとはナプキンで水気をふき取ってください。 |