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■中華包丁は「一器多用」でいろいろな用途に 中華包丁は大きく分類すると、刃の厚いもの、薄いものに分けられます。刃が厚い包丁は主に肉を切るとき、薄いものは野菜を切るときに使います。 一つの器を多種多様な用途に使う「一器多用」の精神が普及する中国では、1丁の包丁ですべての調理をこなすことができるとされますが、用途によって、大小、形状も様々なものがあります。 ■中華包丁はなぜ重い? 中華包丁が大きく、重い理由は中国の食事情に大きく関係しています。例えば、肉料理の定番とも言える鳥やアヒル等は、市場で丸ごと売っているおり、豚や牛なども大きな塊で売っているのが普通でした。 そのため、各家庭で肉をさばかねばならず、大きく、重みがある中華包丁で肉の塊を切り分けると同時に、大きな刃を横に寝かせて、肉の骨をたたき割り、解体していました。中国人の大好きなダック(アヒル)の場合、骨を粉砕しなければならず、重量のある包丁で、全身の力を用いて調理していたのです。 また、中華料理に『つぶす』という調理法があることとも関係しています。代表的なものは『たたきキュウリ』です。中国ではとても一般的なメニューで、キュウリをたたきつぶして、ニンニクやごま油、塩、トウガラシを混ぜる副菜ですが、重さが軽い西洋式の包丁ではキュウリが飛び散り、うまくつぶせません。重い中華包丁でないと駄目なのです。 そうした背景を持つ中華包丁で調理する時の代表的な切り方を見てみましょう。 |
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【その他の切り方】 |
兎耳(トゥーアル):材料をまわしながら斜めに切る方法。 日本では乱切りとよばれる。 |
馬耳(マーアル):兎耳より小さく斜めに切る方法。 日本では小さい乱切りとよばれる。 |